2020 税理士試験 相続税法 (一部) 解答速報
※本稿は私個人の責任において記事としています。
解答作成のアウトラインが終わりました。
持ち帰って時間をかけて 出てくる知識はあるものの、 本番あの2時間でどこまで対応できたか!?
となると非常にアプローチの難しい問題だったと思います。
パターンでいうと
「理論を書けない人が多くの時間を計算に使うため、 難易度のわりに相対的に計算の平均が高くなる」
パターンの問題に該当します。
詳しくは明日論点の確認をしますが、
おおむねの柱は以下です。
1
理論
未分割分割に関する問題
(1)小規模宅地等の期限内申告時点での手続き。
名前だけでも「3年以内(の)分割見込書」 という名称があればとても強いです。
(2)特別寄与者の課税価格計算・申告
予備校の公開模試の論点プラス趣旨と税額計算
趣旨は「 従来の寄与分では財産を取得できないものの生前被相続人の生活に 寄与をした親族について特別に寄与分に相当する権利を与える」 みたいな感じ。
税額計算については2割加算の対象であること。
などです。
2割加算の論点は全体の3%くらいは書けているかもしれません。
(3)特別寄与料を支払う者の留意点
予備校の公開模試の模範解答と同じ認識で大丈夫です。
本問の場合、 分割協議のまとまった時点と特別寄与料の額の確定時点とがはっき りしていないため、1号事由と7号事由と、 念のため両方挙げた方が無難です。ただし、ただ書くだけでなく、 「分割協議がまとまった時点で課税価格が異なっていた場合」と「 特別寄与料の額の確定により債務控除される金額がある場合」 といったように、分けましょう。
おそらくですが、 出題者の意図は債務控除による7号事由の記載です。
2
理論
代物弁済と贈与税
債権金額と譲渡財産との差額について課税されることを記載してく ださい。
①譲渡財産の評価額の方が大きい場合は債権者に「低額譲受益」
②債権額の方が大きい場合は債務者に「債務免除益」
の課税の可能性があります。
趣旨としては、「 代物弁済という法律行為は贈与とは異なるものの、 実質的に経済的利益の移転が贈与に相当するため、 これを贈与とみなし贈与税の課税対象にする」みたいな感じ。
民法と税法との相違がもろに出ている問題です。あの2時間で上記①② 両方のパターンを思いついた方は少ないと思っています。
片方でも、しっかり説例に当てはめていればアドバンテージです。
とりわけ重要なことは「しっかり説例にあてはめていること」。「どうなった場合」「誰から」「誰へ」「どんな」「贈与とみなすのか」。
3
計算
本試験の分量としては非常に多く、時間配分の難しい問題です。
「できなくても良い」というより「できている人は大きなアドバンテージ」です。
財産評価それ自体より、そこに向かう端の論点が難しいです。
できなくても差し支えなかったであろう部分は
・本問の不整形地が貸付事業用宅地等に該当しない旨
・課税される管理残額を按分する旨
・管理残額にかかる2割加算
・旧法に従った障害者控除の2度受け
あたりです。
そのほか
・ダミー資料の多い無償返還届出宅地→普通に80%するだけ。
・すべてがダミー資料の譲渡担保物→評価しない。
・個人で2%保有の父丁が、中心的な同族株主に該当すること→ Cは特例評価でok。
・預かり保証金の負担付遺贈と未収家賃8万の分割財産参入
・社債の市場価格がなく株式が上場している会社の転換社債
など、ひっかかりやすい・時間のかかる論点が盛り沢山でした。
わりと予備校の問題に近い言い回しだとは思うので、 時間配分が上手くいっていれば70%~80% の正答率かとは思います。
まとめますが、
「バランス良く全体を出し抜けていること」が一番肝心です。
みなさん。まずは本当におつかれさまでした!!
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